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シシィ さん

突然起きた遺伝子変異

治療の効果が現れ始め、治療開始から8ヵ月後の検査では白血病細胞の数を示す検査の値は順調な減少を示していました。ところが安心もつかの間。その値は少しずつ上昇し始め、治療開始から16ヵ月後には正常値とは言えない値を示したのです。これには主治医の先生も心配している様子でした。
不安はあったものの、かねてから計画していた、ドバイ経由で片道20時間というとてもハードな旅を翌月に決行してしまいました。大好きな海外旅行でリフレッシュできたことが功を奏したのか、帰国して検査してみると、結果はなぜか正常値に戻っていました。
しかし主治医の先生は「この変動はおかしい」とにらみ、すぐに遺伝子変異の検査をしたところ、T315Iという遺伝子変異が見つかりました。この遺伝子の変異が起こると、現在の分子標的治療薬では効果が得られないらしいのです。
その検査結果を見た先生から発せられた質問は、「ご兄弟はいますか?」でした。
骨髄移植――。ちょうど長女の小学校卒業式のタイミングでした。
「まるでドラマのワンシーンみたい。」
その瞬間は我が身に起きたこととは思えませんでした。
しかしそうも言っていられず、移植の準備にさっそく取り掛かりました。臍帯血さいたいけつ移植の話が進んでいたのですが、私自身がなかなか移植に踏み切れず、不安にかられる毎日がしばらく続きました。
そんな不安なときも、家の中が暗くならずに済んだのは、いつもと変わらず明るくいてくれる長女のおかげでした。とてもおしゃべりな子で心配なところもあるのですが、当時はすごく助かりましたね。
一時は、アメリカへ渡り新薬の治験に参加したいと望んだ時期もあったのですが、新しい主治医に変わるタイミングで再度遺伝子変異の検査を行ったところ、なぜか「T315Iは検出されず」という結果が出たのです。先生も不思議がり、何度も検査しましたが結果は同じ。すると、なかなか下がらなかった白血病細胞数も再び減少に転じ、今ではPCR法で感度以下。結局、移植も治験も必要なくなってしまいました。

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