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Satoko さん

私の「心の薬」となった一冊の本

私の場合、食後の吐き気は、はっきりと自覚できるほどの症状ではなく、“なんとなく”気持ち悪い感じでした。このあやふやな不快感はいったいどこから来るのだろう?もしかしたら、薬が生まれた背景を知ることで解決できるのかもしれない、と考えました。そこで手に取ったのがこの本―― 「Magic Cancer Bullet 奇跡の抗がん剤の物語」(ダニエル・バセラ, ロバート・スレイター著 ; 木村正伸, 木村直子原訳)です。
実際、同書によって服用している薬が誕生するまでを理解することができました。周囲には「薬なんて飲まない方がいいのでは」と忠告する人もいて気持ちをかき乱されることもあったのですが、薬が生まれた背景を知ることで、不安が払しょくされました。まさに「心の薬」というべき一冊かもしれません。この薬に携わる医療関係者すべての人々に深い感謝の念を抱くようにもなりました
その後、服用している薬をこの世に生み出した米国の腫瘍学者、ブライアン・ドラッカー博士に会って、お礼を伝えたい、という思いが自分の中で膨れ上がっていきました。そこにたまたま飛び込んできたのが、来日されるというニュース。主治医の先生に頼み込んでお目にかかる機会をつくっていただきました。
当初はビジネスライクでクールな方を想像していたのですが、優しげなまなざしが印象的でした。「自分の研究に命を懸けている人なのだな」と感じずにはいられませんでした。博士に自分のCDを手渡し、私の命はあなたの発明によって救われました、と伝えると「研究者として嬉しく思います」とおっしゃってくださいました。その時、「これからはけっして薬を服用することに不安を抱くまい」と決意しました。

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