トップページ > みんなの体験記 CMLランナーズ > 村上 公一 さん

村上 公一 さん

ずっと仲が悪かった姉だけれど…

僕には姉が一人いるのですが、最初の分子標的治療薬が効かなくて移植する可能性が出た時、先生から「念のためきょうだいのHLA型が合うかどうか、確認しておきましょう」という話があり、久しぶりに電話をすることになりました。
実は、姉とは学生の頃からすごく仲が悪くて、同じ都内に住んでいるのに連絡を取ることもなく、ずっと疎遠だったんです。そういう状態が十何年間と続いていたので、電話をしたらすごく驚いていました。
それまで、両親にもCMLになったことを話していなかったので、姉は僕の病気のことを知らず、その時に初めて伝えました。CMLという病気を説明するのは難しくて、普通の人は、「白血病」と聞いたら慢性も急性も関係なく「不治の病」だと思ってしまいます。だから、「僕がなったのは薬が効きやすくて、すごく危険性の低い白血病だけれど、もし万が一、薬が効かなかったら移植をする可能性もあるから」という感じで、慎重に話をしました。
そうしたら、2~3日後に姉が電話をかけてきて、「公一、ごめん」と言ったんです。「えっ、何がごめんなの?」と聞いたら、「今まで、何一つお姉さんらしいことをしてあげられなかった」と。ずっと仲が悪かったのに、「病気のことを聞いてから、おまえのことしか考えられなくなった」と言われました。弟なんて元気でいるのが当たり前で、気にも留めない存在だったのに、急に病気になってしまったことがすごくショックだったようです。
でも、そのことがきっかけで、それまでの関係が一変し、姉とは年に1~2回一緒に食事するような、仲の良いきょうだいになりました。HLA型は合わなかったのですが、自分のことを気にかけてくれる姉の存在が心強くて、「ああ、きょうだいっていいな」と実感しています
今、姉に言われていることは、両親に病気のことを話しなさい、ということです。僕としては、70歳を過ぎた両親に余計なことを言って心配させたくないし、白血病と言えば夏目雅子さん、というイメージしか持っていないであろう両親に、「CMLは危険性の低い白血病だ」と分かるように説明できるだろうか、と思って躊躇しているのですが、姉は「もし立場が逆だったらどうする?あなたの子どもが病気になって、何も話してくれなかったらどう?だまされた気分にならない?」と言うんです。話すのか、話さないのか、どちらが親孝行なんだろう、と思うと悩みます。話す方が親孝行なような気もするし…、でも、まだ話していません。

6/8

前のページ
次のページ
インデックスへ戻る