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日常生活・運動について

監修:薄井 紀子先生(東京慈恵会医科大学附属第三病院 腫瘍・血液内科)

Q3
治療を受けながら子供を産む(作る)ことは可能ですか?また、男性患者の場合はどうなのでしょうか?
A
化学療法薬や分子標的治療薬は、動物を用いた実験により胎児に悪い影響を及ぼすことが報告されているため、服用中は避妊することが勧められています。また、服用中に妊娠していることがわかった場合、服用を中止する必要がありますので、まずは主治医にご相談ください。
海外での分子標的治療薬の臨床試験において、妊娠した患者さんが正常出産した報告もありますが、流産、奇形がみられたということも報告されています。また、妊娠後に分子標的治療薬の服用を中止した結果、血液学的効果の消失やフィラデルフィア染色体陽性細胞の増加も報告されています。

男性においては、慢性骨髄性白血病の治療により、精巣や精子の機能が低下し、パートナーが妊娠する可能性が低くなると考えられています。また、海外で分子標的治療薬を服用していた患者さんのパートナーが妊娠したケースでは、正常に出産した方がいらっしゃいます。流産や胎児に異常がみられるということが報告されています。現時点では、男性における避妊の必要性は明確になっていませんが、これらの報告から、避妊することが推奨されています。

造血幹細胞移植においては、前処置として大量の化学療法薬の投与や放射線治療が行われることにより、精巣や卵巣機能が低下するため、男女とも妊娠することが難しくなります。
これを避けるためには、治療の影響を軽減する方法と、精子や卵子あるいはパートナーがおられる方では受精卵を凍結保存する方法が考えられます。前者では、放射線照射の際に精巣や卵巣に覆いをして放射線があたらないようにしたり、影響が少ない化学療法薬を選択したりします。しかしながら、この方法でも、必ずしも精巣や卵巣機能の低下を防げない場合があります。後者では、移植の前に精子や卵子あるいは受精卵を採取し、凍結保存します。ただし、この方法では次のようなことを理解しておかなければなりません。まず、診断を受けてから治療開始までに時間が必要となり、それによって白血病が悪化する可能性があること、また保存された精子や卵子によって妊娠した場合の子供への影響が明らかとなっていないこと(現時点で、明らかに異常が発生するというデータはありません)、保存には保険が適応されないことなどです。
どのような選択をするにしても、医師とよく相談の上、決定することが大切です。